こんにちは。エタックの照内です。
本日はサービスコールでもよくお問い合わせ頂く「加湿水の消費量が多い」トラブルについて、その原因と解決策について記事にしてみました。
以前の記事でも紹介させて頂きましたが、当社の低温恒温恒湿器『HIFLEX NEO E』には”水蒸気回収システム”が標準で搭載されており、槽内で発生する蒸気を回収・再利用することによって、85℃/85%RHの高温多湿運転でも1000時間(約40日間)の連続運転が可能です。
しかしながら、何らかの原因で1日の運転で給水タンクが空になってしまうなど、加湿水の消費量が増えてしまうことがあります。
一概には言えませんが、その大きな理由は以下の3つです。
①ウィックガーゼの装着方法が正しくない
ウィックガーゼとは、湿球センサに装着する白色の不織布です。
湿度運転の際、ウィックガーゼは常に湿らせておく必要があり、上記のウィックパンには常に加湿水が供給されています。
ウィックガーゼを装着する際、下のウィックパンの切り掛け部に、ウィックガーゼの下の部分が少しでも外れていると、その部分から水が滴り落ちる状態となり、これが原因で加湿水の消費量が多くなります。
裏側や端の部分もきちんとウィックパンに収まるようにウィックガーゼを入れて下さい。
ウィックガーゼの交換方法については、こちらにも資料がありますのでご参照下さい。
②ウィックパン、加湿パンの水位が溢れている
ウィックパンと加湿パンは下記の箇所になります。
ウィックパンについては上述しましたが、湿度運転時にはウィックパンと加湿パンの両方に加湿水が供給されています。
基本的に納入時に弊社のスタッフが、いずれの水位も正常な位置で調整したうえでお客様にお引渡しをさせて頂いていますが、装置の移動に伴い水平が取れていなかったり、何らかの原因で水位が溢れてしまうことがあります。
これらの水位が溢れてしまうことで、加湿水の消費量が多くなってしまいます。
水位の調整は、当社のスタッフが訪問して実施させて頂くことも可能ですが、こちらにも調整方法の資料をご参照のうえお客様でも実施することができます。
③槽内の空気が槽外に漏れている
単純な事象ですが、これももちろん加湿水消費量増大の原因のひとつです。
扉が閉まりきっていなかったり、側面の測定(ケーブル)孔が開いていたりすると、そこから槽内の水蒸気が漏れてしまうので、今一度これらがきちんと閉まっているかご確認下さい。
扉については、永年ご使用頂いていると、パッキンが劣化して密着度が弱くなり、そこから空気が漏れている可能性もありますので、ご心配なお客様は是非当社の点検サービスのご利用をご検討下さい。
加湿水の消費量が多い主な原因 まとめ
ウィックガーゼの装着方法
ウィックパン、加湿パンの水位
槽内の空気の漏れ
上記以外の理由として、「温度/湿度の表示誤差が大きい」ことも挙げられます。
例えば、槽内の温度/湿度の表示が85℃85%であったとしても、実際の槽内が85℃95%くらいだったとした場合、 加湿水の消費量 が多くなることがあります。
表示誤差は加湿水の消費量だけでなく、正確な評価や試験ができない原因にも繋がりますので、是非年次でのメーカー校正を推奨させて頂きます。校正サービスのご案内はこちらです。
これらでも加湿水の消費量が解決しない場合は、他の要因が考えられます。
その際は当社にサービスコールを頂ければ、スタッフの現地調査も含め解決のアドバイスをさせて頂きますのでお問い合わせ下さい。
本日も最後までご覧になって頂き、ありがとうございました。