結露サイクル試験 ご紹介

■エレクトロニクス製品の評価に欠かせない試験器

皆さんこんにちは!エタックの森下です。
今回は当社の「結露サイクル試験器/DEW CYCLE」についてご紹介しいます。

近年、エレクトロニクス製品の小型化・高密度化がますます進んでおります。
また、使用環境も屋外から屋内への移動や、機器の動作により低温乾燥状態から温度上昇して多湿環境下に変化するといった状況下にさらされるケースが増えております。
そうした中で、精度の高い温湿度条件を急激に変化させ、製品の絶縁性や腐食性を評価する試験の必要性が高まってきております。

■エタックの結露サイクル試験器は『2WAYユーズ』

結露サイクル試験器は、実施頻度を考慮すると装置の購入に踏み切れず、恒温恒湿槽2台を手動で移動して実施したり、外部に委託したりしているお客様も多いと思います。

そんなお客様のために、より効率的に装置を利用いただけるように、当社の装置は「結露サイクル試験」としてだけでなく「熱衝撃試験」としても利用できる仕様となっております。

■主な仕様と特長

◎試験温度範囲:低温-55℃、高温150℃まで対応 ⇒ 熱衝撃試験器として使用可能な温度域

◎復帰性能:ー30℃⇔+25℃95%rh、さらし各30分 復帰時間5分以内
      −55℃/30分⇔常温/5分⇔+130℃/30分 復帰時間5分以内
      ⇒熱衝撃試験器として使用可能な復帰時間の速さ


◎試験室の大きさの違いで2機種ラインナップがございます。
 型式:DC1200S/内寸法:W650xH500xD400mm
 型式:DC2010S/内寸法:W700xH500xD600mm


◎結露サイクル試験モードと熱衝撃試験モードは操作画面の条件入力により簡単切り替え可能

いかがでしょうか?
2パターンの試験が実施可能なので、省スペースかつ高稼働が見込めること間違いなしです!

なお、当社では、受託試験による結露サイクル試験のサービスもご提供しております。
みずなみ試験所・山形試験所の2拠点で実施しております。
装置の導入が難しいお客様は活用ご検討ください。

今回は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございます。

加湿水の消費量が多い!?その原因と解決方法

こんにちは。エタックの照内です。

本日はサービスコールでもよくお問い合わせ頂く「加湿水の消費量が多い」トラブルについて、その原因と解決策について記事にしてみました。

以前の記事でも紹介させて頂きましたが、当社の低温恒温恒湿器『HIFLEX NEO E』には”水蒸気回収システム”が標準で搭載されており、槽内で発生する蒸気を回収・再利用することによって、85℃/85%RHの高温多湿運転でも1000時間(約40日間)の連続運転が可能です。

しかしながら、何らかの原因で1日の運転で給水タンクが空になってしまうなど、加湿水の消費量が増えてしまうことがあります。

一概には言えませんが、その大きな理由は以下の3つです。

①ウィックガーゼの装着方法が正しくない

ウィックガーゼとは、湿球センサに装着する白色の不織布です。

湿度運転の際、ウィックガーゼは常に湿らせておく必要があり、上記のウィックパンには常に加湿水が供給されています。

ウィックガーゼを装着する際、下のウィックパンの切り掛け部に、ウィックガーゼの下の部分が少しでも外れていると、その部分から水が滴り落ちる状態となり、これが原因で加湿水の消費量が多くなります。

裏側や端の部分もきちんとウィックパンに収まるようにウィックガーゼを入れて下さい。

ウィックガーゼの交換方法については、こちらにも資料がありますのでご参照下さい。

②ウィックパン、加湿パンの水位が溢れている

ウィックパンと加湿パンは下記の箇所になります。

ウィックパンについては上述しましたが、湿度運転時にはウィックパンと加湿パンの両方に加湿水が供給されています。

基本的に納入時に弊社のスタッフが、いずれの水位も正常な位置で調整したうえでお客様にお引渡しをさせて頂いていますが、装置の移動に伴い水平が取れていなかったり、何らかの原因で水位が溢れてしまうことがあります。

これらの水位が溢れてしまうことで、加湿水の消費量が多くなってしまいます。

水位の調整は、当社のスタッフが訪問して実施させて頂くことも可能ですが、こちらにも調整方法の資料をご参照のうえお客様でも実施することができます。

③槽内の空気が槽外に漏れている

単純な事象ですが、これももちろん加湿水消費量増大の原因のひとつです。

扉が閉まりきっていなかったり、側面の測定(ケーブル)孔が開いていたりすると、そこから槽内の水蒸気が漏れてしまうので、今一度これらがきちんと閉まっているかご確認下さい。

扉については、永年ご使用頂いていると、パッキンが劣化して密着度が弱くなり、そこから空気が漏れている可能性もありますので、ご心配なお客様は是非当社の点検サービスのご利用をご検討下さい。

加湿水の消費量が多い主な原因 まとめ

ウィックガーゼの装着方法
ウィックパン、加湿パンの水位
槽内の空気の漏れ

上記以外の理由として、「温度/湿度の表示誤差が大きい」ことも挙げられます。

例えば、槽内の温度/湿度の表示が85℃85%であったとしても、実際の槽内が85℃95%くらいだったとした場合、 加湿水の消費量 が多くなることがあります。

表示誤差は加湿水の消費量だけでなく、正確な評価や試験ができない原因にも繋がりますので、是非年次でのメーカー校正を推奨させて頂きます。校正サービスのご案内はこちらです。

これらでも加湿水の消費量が解決しない場合は、他の要因が考えられます。

その際は当社にサービスコールを頂ければ、スタッフの現地調査も含め解決のアドバイスをさせて頂きますのでお問い合わせ下さい。

本日も最後までご覧になって頂き、ありがとうございました。

低GWP冷媒に関する特許取得のお知らせ

地球温暖化係数が1500以下の低GWP冷媒を用いた冷却装置に関する特許を取得しました。
(特許第7157725号)

エタックでは地球温暖化係数(GWP:Global-warming potential)の高い冷媒から、次の世代の低GWP冷媒への置き換えをいち早く進めています。
※R404AのGWP:3,920、当社が代替した低GWP冷媒=R448AのGWP:1,386(約65%減)
※R23のGWP:14,800、当社が代替した低GWP冷媒=R469AのGWPは1,357(約90%減)。

モントリオール議定書またはキガリ改正で規制対象となったHFC冷媒18種類は、全世界的に削減が必要不可欠な状況になってきています。エタックでは低GWP冷媒を使用することで、これら冷媒の削減とともにCO2排出量の削減に寄与しています。

エタックでは、主要製品すべてをR404AからR448Aへ置き換えすることで、使用冷媒に関する環境配慮対応、CO2削減、国際的な枠組みに対する積極的な取り組みをいち早く行ってきました。
また、お客様から従来の冷媒に関する入手性のリスクや、メンテナンスリスク、CO2排出リスクに対する方策のご要望を多くいただいており、これらにお応えした環境試験器を世に送り出してきました。

低GWP冷媒(R448A)搭載 エタック主要機種

HIFLEX NEO-E シリーズ 2018年~
HIFLEX NEO-ES シリーズ 2019年~
WINTECH NEO シリーズ 2020年~

※このほかの機種についてもご用意しています。

取得特許について

HIFLEXシリーズ(NEO-E、NEO-ES)については、低GWP冷媒を使用しながら-40℃を実現し、かつ周囲環境+5℃~+35℃でも最低温度を維持できる冷却回路を独自設計※1、搭載しています。
※1 特許第7157725号(GWP1500以下の低GWP冷媒およびオリジナル冷却回路)

インバータ冷凍回路および独自設計の冷却回路はエタックオリジナルであり、インバータ冷凍機により温度下降性能や、温湿度安定後の省エネ性についても同時に実現しています。
R448Aのような非共沸混合冷媒を使用した場合、温度グライドや冷媒圧力対策を講じたとしても-40℃まで下がらない、あるいは下がるけれども高周囲温度で維持できないなどの様々な課題がありましたが、HIFLEXシリーズは独自技術によりこれら課題をクリアした製品となっております。

今後、2025年にCO2排出量の削減目標が厳しくなるなか、さらに2029年には70%削減という目標に移ります。
エタックはお客様に引き続き安心してご使用いただけるよう、さらなる環境配慮型の試験器をご提案できるように邁進してまいります。

今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。